第2140段 明日香川を明日は渡らむ
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和4年3月15日付けの
立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』275号に
【明日香の古代の石の物語】と題し
連作15首を発表し
評価を世に問ひけり。
その2首目の作は
明日香川 明日は渡らむ 川石を
踏み行く男の 歌思ひつつ
この歌は万葉歌の2701番の
「明日香川 明日も渡らむ 石橋の 遠き心は 思ほえぬかも」
この歌の意は「明日香川を明日も渡りて逢ひに行かう。あなたに対して
疎遠な気持ちなど少しも持ってはゐない私は」にて
この歌を踏まえへての本歌取り作なり。
なほ石橋とは石製の頑強なる橋にはあらず
川中に置かれたる飛び石のことなり。