第2138段 永田和宏の河野裕子への愛の形
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和4年2月25日
NHK-BS放送にて【ほんたうに俺でよかったのか】を観て
歌を
永田和宏の 愛のかたちは 今もなほ
河野裕子へ 独り言いふ
と詠みけり。永田和宏は物理学者にして現代歌人。
河野裕子はその永田和宏の北の方様にして
2010年に65歳にして乳癌のため逝去。
而して、12年が過ぎやうとする今にして
恋恋たる想ひをいだき続けてゐる。
世にいふ【亡妻歌】なり。
この事は万葉集の大伴旅人以来の伝統なり。
『智恵子抄』の高村光太郎然り。
他にも枚挙に遑が無い事例なり。
如何に仲良き二人なれどもいつかは
死が二人を分かつのでで、どちらかがこの世に残され
かかる【愛の絶唱】を歌ふこととなるなり。