第2112段 人参のいぶりがっこ
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和4年1月中旬の或る日
惚れたる女人ありければ、誘ひて初逢瀬のベッドの中にて
一戦の後、別れ際に贈り物をいただき
歌を
人参の いぶりがっこを 汝妹より
珍といただき 愛しに驚く
と詠みけり。
《愛し》とは《美味しい》の古形にて
後の世になり接頭語の《お》が付き一般語となりたれど
現代にては接頭語無く用いられる用例をほとんど
見掛けねども、後世に伝へ遺したき言葉とぞ覚えければ
用ゐるなり。
更に一般的に《いぶりがっこ》といへば大根なれども
人参は初めてなり。