新編・伊勢物語 第2068段 越前味真野 其の漆 星原二郎第2068段 越前味真野 其の漆 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和3年12月15日付けの 立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』274号に 【越前味真野】と題し 連作16首を発表し 評価を世に問ひけり。 その7首目の作は 宅守の 心うつろに このほとり 夕べさまよひ 歩(ひろ)ひしならむ この作も中臣宅守の心の中の深くを 想像しての作なり。 春の夕暮れを「心、ここにあらず」の表情にて 当てなく徘徊の姿がありありと浮かぶのである。