新編・伊勢物語 第1929段 男の魂の帰る港 星原二郎第1929段 男の魂の帰る港 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和3年7月の中旬 惚れたる女人ありけれども コロナ禍により逢ひ難き日々を過ごし やうやうに逢ひ得て その喜びを更に歌を 魂の 漂流続け 幾歳か 辿り着きたる 港ぞ汝(なれ)は と詠み、そのまま漂流を続けたれば 幽霊船となり 難破船となり 朽ち果てて行く運命とぞ思ひしかど 救われたる心地、いと深く 「捨てる神あれば拾ふ神あり」 との慣用表現を思ひ出しけり。