新編・伊勢物語 第1902段 マスクしての会話 星原二郎第1902段 マスクしての会話 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和3年6月24日の 立春知立短歌会の毎月開催の 月例歌会に次の歌 マスクして 小声で語尾は 不明瞭 さらに早口 耳疎く惑ふ を事前に提出し歌会には所要にて休みけり。 歌の心は高齢となり耳の遠くなり 退会せし先輩歌人の真の退会理由を慮(おもんばか)りての作なり。 更にはその男自身も耳の調子の悪しき時は同様にて 加齢の悲哀とぞ覚えけり。