新編・伊勢物語 第1895段 山高の神代桜 其の拾肆 星原二郎 第1895段 山高の神代桜 其の拾肆 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和3年6月15日付けの 立春知立短歌会の季刊発行の歌誌『立春』273号に 【山高の神代桜】と題し 連作18首を発表し 評価を世に問ひけり。 その14首目の作は 生きゆくは 風雪に耐へ 忍ぶこと 諭されて吾は 首(かうべ)を垂れる 「花の命は短かくて苦しき事のみ多かりき」 は作家の林芙美子の『放浪記』の一節にて有名なれど 命長きものだけが持つ存在感に圧倒されて 生まれたる作なり。