新編・伊勢物語 第1868段 老いの嘆きの声 星原二郎第1868段 老いの嘆きの声 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和3年5月中旬となり コロナ禍にて外出は思ふに任せぬ日々の続きければ その男の知人の多くの年金受給者に成り代はり 歌を 年金に 約(つま)しく暮らす 老いの日を コロナはなほも 籠れといふか と詠み、嘆きと溜息と愚痴の老いの声を 代はりて呟きけり。 ※ 約(つま)しくとは質素、地味の古語なり。