第1833段 湯涌温泉総湯の白鷺の湯
昔、男ありけり。今も男あり。
その男 令和3年4月上旬
加賀の国は金沢の奥座敷と称される
湯涌温泉総湯 白鷺の湯 へと行き
湯浴みの後に歌を
湯涌とは 温泉らしき 名前にて
違はずよき湯 涌き溢れゐる
と詠み かってかの竹久夢二が愛人を伴ひ訪れ
遺したる歌の
「湯涌なる 山ふところの 小春日も
目閉ぢ死なむと きみのいふなり」
の歌碑を目にし
の男のこの歌もいずれの日にか
歌碑建立の話が持ち上がり
揮毫の依頼が来るにやあらむと
信じつつ除幕式を思ひ浮かべつつ去りけり。