新編・伊勢物語 第1799段 雑草といふ名の草 星原二郎第1799段 雑草といふ名の草 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和3年の冬の或る日 或る歌会にて「名も知らぬ 花が…」 との歌に出会ひ 歌を 名も知らぬ 花とな花に 失礼ぞ 雑草といふ名の 草は野になし と詠み、かって昭和天皇の言葉に 「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、 それぞれ自分の好きな場所で生を営んでゐる。人間の一方的な考え方で、 これを雑草として決め付けてしまうのはいけない。」 を思ひ出しけり。