新編・伊勢物語 第1798段 形骸を土木にする男 星原二郎第1798段 形骸を土木にする男 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和3年3月の或る日 偶然にも街中にて旧き知人と出会ひ 歌を 形骸を 土木にしてや 今日も往く 男は心と うそぶく男 と詠み、無帽蓬髪といふか、弊衣蓬髪といふか 以前と全く変はらぬ姿に苦笑ひをしつつ しばし会話を交はし別れけり。 ※「形骸を土木に」とは中国の古典の晋書の 嵆康伝に出でくる言葉にてその意は 容貌や服装など少しも気にせぬ事なり。