第1766段 瓜二つの他人の田中さん
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和3年1月下旬
第22回NHK全国短歌大会の入選作品集が届き
その男の作品
「田中さん!お久しぶり」と 露天湯に
声掛けられぬ 「田中」を演じむ
が、自由題の部に入選を果たしけり。
歌の心は昨年、岩手県のおおの健康の湯にての
出来事を詠みたる作なり。
声を掛けたる男曰く「岩手県軽米町には瓜二つの
男がゐる」とのこと。
自分の分身とも思ひ会ひに行く事も過ぎりたり。
瓜二つの男、如何なる人生を歩みたるや
興味深々なり。
而して、露天湯にては役者の資質の持ち合はせはなく
赤の他人なる旨を正直に伝へけり。