第1765段 歳とともに圭角は削り取られて
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和3年1月の下旬
56年に亘り付き合ひの友人と久々に会ひ
よもやま話の後に
その男の性格の事に話が及び
歌を
圭角の 歳にしたがひ 取れしとぞ
友より聞きぬ 老いにけらしも
と詠み夏目漱石先生の名作「草枕」の冒頭の一節である
「智に働けば角(かど)が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ
とかくに人の世は住みにくい」
の智に働きたる若き日々を懐かしみけり。
※圭角(けいかく)が取れるとは
人間が出来てきて角がなくなり円満になることなり。