新編・伊勢物語 第1764段 契約書に押印 星原二郎第1764段 契約書に押印 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和3年1月の下旬 その男の許に或るセールスレディ来たりて 甘き言葉に乗せられ 書類内容を充分に確認せず 印鑑を押す段となり 歌を 年齢より 若く見ゆると はやされて 嬉しくて押す 契約書の印 と詠み その後の事をおもんばかりて 見合はせけり。 難を回避し胸をなで下ろしけり。 ゆめゆめ、上手い話とか 儲け話とかあるはずはなく 「人を見たら泥棒と思へ」の 格言を思ひ出しけり。