第1745段 特殊振り込み詐欺の被害に遭ひて
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和3年1月10日の
刈谷市は東刈谷市民センターにて毎月開催の
千草会短歌会の新年歌会に
次の歌
巧妙なる 話術手口に してやられ
虎の子の金 盗られ悔しき
を事前に提出し臨みけり。
歌の心はコロナ禍にあれども
一向にこちらも収束の気配のみせぬ
特殊振り込み詐欺(旧呼称はオレオレ詐欺)の
被害に遭った他人の心情をおもんばかりて
被害者に代はりて詠める作なり。
而して、月例歌会にてはその男が被害に遭ったとの
解釈をされ同情と憐れみの視線を受けけり。
更には初句の「巧妙なる」が具体性に欠け
結句の「悔しき」は言はずもがな
との評をいただきけり。
くれぐれも巧妙なる話術手口の電話には
どなた様も今まで以上に注意されんことを
願ひ申し上げけり。