新編・伊勢物語 第千五百八十五段 竜飛岬のはまなすの花 星原二郎第千五百八十五段 竜飛岬のはまなすの花 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和二年七月上旬 陸奥の国は津軽半島の岬の竜飛へと行き 歌を 海峡を 見下ろす丘の くれなゐの 玫瑰(はまなす)の花 あのひと何処(いづく) と詠み はまなすの花に思ひ出づる 懐かしき人の今の消息を 詮方なしと思ひつつ花と海を眺め続けけり。