新編・伊勢物語 第千五百八十四段 津軽海峡夏景色 星原二郎第千五百八十四段 津軽海峡夏景色 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和二年七月上旬 陸奥の国は津軽半島の竜飛へと行き 歌を 海峡を 見むと願ひて はつ夏の 竜飛岬へと 一人来にけり と詠み 海峡の彼方に見える 北海道の景色を眺め続け 「津軽海峡冬景色」ならぬ 「津軽海峡夏景色」を口遊みけり。