新編・伊勢物語 第千五百六十六段 ヘミングウェイの『老人と海』を 星原二郎第千五百六十六段 ヘミングウェイの『老人と海』を 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和二年六月二十九日 名古屋港を出航し仙台港へと行く 太平洋フェリーに乗船し 今年もみちのくの各地の歌枕、温泉、地酒を 巡る旅へと行きけり。 出航し さっそくデッキにて 歌を ヘミングウェイの 『老人と海』 思ひつつ 大海原を 眺めつつ飲(や)る と詠み 勿論 潮風に吹かれながら飲むのは ビールにして 新型コロナウイルに 振り回されてゐる 俗世間の事を忘れけり。