新編・伊勢物語 第千五百四十四段 昼下がり、華胥の国に遊ぶ歌 星原二郎第千五百四十四段 昼下がり、華胥の国に遊ぶ歌 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和二年五月下旬 緊急事態ほ解除されしかど 用心のため家に籠もりゐて 歌を 昼下がり テレビを見つつ いつ知らず うつらうつらや 老いはままなる と詠み その日も 華胥の国にて遊びけり。 ※【華胥の国に遊ぶ】とは 中国の故事にて かの黄帝が午睡にて理想郷である《華胥氏の国》に 遊びたるといふことに因る慣用句なり。