新編・伊勢物語 第千五百二十五段 コロナ後の世界 星原二郎第千五百二十五段 コロナ後の世界 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和二年五月のゴールデンウイークの 期間中なれども外出禁止にて 自宅に籠もりゐて 歌を コロナ後の 世界は如何に 変はるらむ 渦のさなかに ありて先思(も)ふ と詠み、経済のみならず、文化、働き方 学校教育、その影響の多さと大きさに 愕然としつつ 歴史の証人として 歌人は歴史の証言を【歌】といふ形にて遺す 義務ありとぞ覚えけり。