新編・伊勢物語 第千五百三段 鳥の歌【鴗(そにどり)】 星原二郎 | isemonogatari2のブログ

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千五百三段 鳥の歌【(そにどり)

 

昔、男ありけり。今も男あり。

その男 令和二年三月十五日発行の

立春知立短歌会の季刊誌の第270号に

『鳥の歌』と題して連作十八首を発表し

評価を世に問ひけり。

其の拾漆首目は

 

(そにどり)の 真青き空に いだきたる

中也の感性 そら恐ろしき

 

歌の心は‥

中也とは勿論、不出世の天才詩人の

中原中也のことなり。

彼の作品の一つである

『山羊の歌』に収録されゐる

「夏の日の歌」に曰く

「青い空は動かない、

 雲片(ぎれ)一つあるでない。

   夏の真昼の静かには

   タールの光も清くなる。

 

 夏の空には何かがある

 いぢらしく思はせる何かがある、

   焦げて図太い向日葵が

   田舎の駅には咲いてゐる。

  

以下の三番と四番は省略」

 

に触発されての作なり。

具体的に耳に有るのはフォークソング歌手の

友川かずき氏のキングレコード会社による

昭和53年5月6月録音のLP盤の中原中也作品集

題して『俺の裡(うち)で鳴り止まない詩(もの)』を

を今なほ聴き続けて生まれたる作なり。

(そにどり)とはカワセミの別称にして

(そにどり)の は【青】にかかる枕言葉なり。