第千四百九十四段 鳥の歌【沖つ鳥】
昔、男ありけり。今も男あり。
その男 令和二年三月十五日発行の
立春知立短歌会の季刊誌の第270号に
『鳥の歌』と題して連作十八首を発表し
評価を世に問ひけり。
其の八首目は
おきつどり 鴨の南蛮 蕎麦と合ひ
「天手古舞」へと 冬来(さ)ればゆく
沖つ鳥とは鴨にかかる枕言葉なり。
而して、「天手古舞」はその男の通ふ
刈谷市にある蕎麦屋なり。
その男、愛鳥家なれども鳥類を食する事に
抵抗は持たず 寒き季節には特に好みて
鴨蕎麦を食べに行くなり。