第千四百九十三段 鳥の歌【庭つ鳥】
昔、男ありけり。今も男あり。
その男 令和二年三月十五日発行の
立春知立短歌会の季刊誌の第270号に
『鳥の歌』と題して連作十八首を発表し
評価を世に問ひけり。
其の漆首目は
にはつどり 鶏(かけ)鳴く声に 目覚めしは
父が在所の 春野の朝(あした)
にわつどり とは鶏の古名にして
鶏(かけ)にかかる枕言葉なり。
而して、春野とは現在の浜松市天竜区にある
火伏の秋葉神社の参道にあたる春野町のことなり。
その男の幼少期の思ひ出の歌なり。