新編・伊勢物語 第千四百四十六段 慣用句の歌【対岸の火事】 星原二郎第千四百四十六段 慣用句の歌【対岸の火事】 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和二年二月の中旬の或る日 その男の住む愛知県にも 中国は武漢にて発生せしコロナウイルスによる 新型肺炎の患者が見つかりたるとの 報道を知り 歌を 対岸の 火事と楽観せし 中国の 新型肺炎の 火の粉飛び来る と詠み その男も人混みへの外出を避け マスクを着用し、手洗ひを忘れず 罹患を防ぐことに努めけり。