第千四百三十九段 金木犀の香り
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和二年二月八日
九州は筑前の国 白石町にての
第20回歌垣の里・白石三十一文字コンテストに
次の歌
君が庭の 金木犀は 咲き匂ひ
われを待つらむ はやこよ週末
を昨年の秋に提出し入選通知を待ちけり。
而して、直前となりても吉左右
吾が許へ届かざれば
コンテストへの出席を見合はせけり。
歌の心はその男の惚れたる女人への
秋の陽に咲き匂ふ金木犀に寄せての
熱き思ひの歌なり。
樹木などに作者の思ひを込めるのは
古き代より、和歌の伝統なり。