新編・伊勢物語 第千三百八十七段 禁断の煙草に火をつけて 星原二郎第千三百八十七段 禁断の煙草に火をつけて 昔、男ありけり。今も男あり。 その男令和元年十二月の或る日 何を思ひてか急にタバコが喫ひたくなり 居ても立っても居られない状態となり つひに煙草に手を出し 歌を 禁断の 煙草につひに 火をつけて くゆらす冬の 夜はかなしゑ と詠み 現代社会にあって、愛煙家は 肩身が狭く、それこそ【愛煙家】とふ言葉自体 絶滅危惧とぞ覚えつつ 久しぶりの紫煙をくゆらせ くつろぎの時を過ごしけり。