新編・伊勢物語 第千三百七十五段 村上の鮭 其の弐 星原二郎 第千三百七十五段 村上の鮭 其の弐 全身は 甚(いた)くいためど 本能に 従ひ帰り来 命継ぐため 朝日岳を 水上として 清流の 三面川は 鮭のふるさと 産卵の 様を見むとぞ 幾時間 岸辺に居しが 叶はざりけり