新編・伊勢物語 第千三百五十段 老いて美しき女人 星原二郎 第千三百五十段 老いて美しき女人 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和元年十一月は上旬 惚れたる女人ありければ その若き日の写真を見て 歌を 二十歳なる 君がうつしゑ 美しき いやまさりたる 六十路の微笑(みせう) と詠みけり。 この歌はアメリカの詩人のウォルター・ホイットマンの 或る詩の一節 「女あり 二人ゆく 若きは うるはし 老いたるは なほうるはし」 に想を得ての作なり。