新編・伊勢物語 第千三百四十九段 石蕗の花の如き女人 星原二郎 第千三百四十九段 石蕗の花の如き女人 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和元年十一月七日 立冬を明日に控へて、惚れたる女人を 花に例へ歌を 石蕗は 秋から冬の 花なりき 貴女も旬の 季節迎ふる と詠み送りけり。 歌の心 人生の後半にあたり 岡本かな子の『老妓抄』の中の一首 《年々にわが悲しみは深くして いよよ華やぐいのちなりけり》 に想をいただき詠める歌なり。