新編・伊勢物語 第千二百八十九段 テーブルに並ぶ料理 星原二郎第千二百八十九段 テーブルに並ぶ料理 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和元年八月の或る日 惚れたる女ありければ伴ひて 上州は四万温泉へと行きけり。 数ある四万温泉の宿の中でも 「やまぐち館」は料理の質の高さにて有名なり。 而して、夕餐の時となり夕食場へと行き テーブルに並びたる料理に舌鼓を打ち 歌を テーブルも 狭しと並ぶ 料理にて 老いたる今の 吾(あ)は食べ切れぬ と詠み 上州地酒の「秘幻」を 飲み続けけり。