新編・伊勢物語 第千二百七十段 三十数年前の光景、突如として甦り 星原二郎第千二百七十段 三十数年前の光景、突如として甦り 昔、男ありけり。今も男あり。 その男令和元年八月の或る日 今をさかのぼること三十数年前 旅行にて伊勢の国は朝熊山金剛證寺に 縁ありて泊りけり。 その夕刻、一人 庭にある池を見遣りたる 光景が突如として甦り 歌を 突然に ひらめきありて その昔 見たる光景 歌となりたる と詠みけり。 而して其の光景とは? 次の段の第千二百七十一段にて 具体的な事を披露申し上げる所存なり。