新編・伊勢物語 第千二百五十二段 知多の海に鵜の漂ふ様 星原二郎第千二百五十二段 知多の海に鵜の漂ふ様 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和元年七月下旬 惚れたる女ありければ 伴ひて尾張の国は南知多の 温泉宿へ行く途中 知多の天然記念物の鵜の山に棲むの数多の 鵜が海面を漂ふを見遣りて 歌を はつ夏の 海面は凪ぎて 黒き鵜が 潜(かづ)き間を置き 離れ浮き出(い)づ と詠み その日の温泉宿へと向かひけり。