第千二百四十三段 鎌倉の高徳院の大仏
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和元年七月
相模の国は鎌倉へと行き
長谷の高徳院を参詣し
歌を
梅雨最中 高徳院の 阿弥陀さま
水のしたたる 美男におはす
と詠みけり。
この歌はその男の日本浪漫派の大先輩にして
日本を代表する歌人のひとり与謝野晶子作の
「鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな」
を本歌とする本歌取りなり。
与謝野晶子先輩はこの歌について後年
鎌倉大仏は釈迦牟尼仏に非ず、阿弥陀如来なる事を
知れども改作をせず通しけり。
その点に措いても彼女の作品に対する矜持を思ふなり。