新編・伊勢物語 第千二百四十二段 鶴ヶ岡八幡宮の大銀杏 星原二郎第千二百四十二段 鶴ヶ岡八幡宮の大銀杏 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和元年七月 相模の国は鎌倉へと行き 鶴ヶ岡八幡宮を参拝し 去る年の大風にて倒木したる 銀杏の株と蘖(ひこばえ)を見遣りて 歌を 鶴ヶ岡 八幡宮の 大銀杏の 株とひこばえ 往時を語れ と詠み 歌人にして鎌倉幕府の 三代目将軍の源実朝が公暁により 暗殺されたる現場を いたく感激を覚え永き時の間、佇みけり。