新編・伊勢物語 第千百八十五段 矢作川の河口にて 星原二郎第千百八十五段 矢作川の河口にて 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和元年の五月の連休中の 或る日、碧南市にやんごとなき用ありて行きけり。 用を済ませて久しぶり矢作川の河口に臨み 歌に はつなつの 矢作川口 潮の香は 風に乗り来ぬ 大きく吸ひぬ と詠み すでに季節は晩春から初夏へと移り 眩しき陽光を浴び過ぎ去りし青春時代を 懐かしく思ひ出しけり。