新編・伊勢物語 第千百八十六段 海亀の亡骸 星原二郎第千百八十六段 海亀の亡骸 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和元年の五月の連休中の 或る日、碧南市にやんごとなき用ありて行きけり。 用を済ませて久しぶり矢作川の河口近くの 須磨の浜に臨み、目にしたる事を 歌に 須磨の浜 未だ幼き 海亀の 亡骸哀れ 陽に晒されて と詠み 死因等は当然ながら不明なれども 近年 よく耳にする プラスチック系のゴミを誤飲 またはビニール系のゴミを餌のクラゲと 間違へて食せし事が死の遠因ならずやと 心を甚く傷めけり。