第千百七十六段 児童虐待の親に
昔、男ありけり。今も男あり。
その男 平成三十一年の四月のつごもり
千葉県は野田市の小学四年生の
栗原心愛さんなどの
児童虐待のニュースに心を痛め
歌を
虐待の 親には極刑 申し告ぐ
閻魔大王に われが代りて
と詠みけり。
明治の頃、来日し東京は大森にて
貝塚を発見し弥生時代の命名者の
モースがその著書『逝きし世の面影』に
書き遺しし一節に曰く
「世界中で日本ほど、子供が親切に取り扱はれ
そして子供のために深い注意が払はれる国はない。
ニコニコしてゐる所から判断すると
子供達は朝から晩まで幸福らしい」
と。この事は明治時代のことなれども
この内容に隔世の感を覚えるのである。
また朝日新聞の3月31日の朝日歌壇の
佐佐木信綱先生と高野公彦先生の一席に選ばれし
我孫子市の島津康右氏の作品
「なかつたらうマンモスを狩る男らが弱き子供を虐ぐるなど」
の作品に共感を覚え詠みたる作品なり。