新編・伊勢物語 第千百七十二段 一円玉を 星原二郎第千百七十二段 一円玉を 昔、男ありけり。今も男あり。 その男平成三十一年四月の或る日 或るスーパーの店頭の路上にて 一円玉の有るのをを見つけて 歌を 一円玉 落ちゐて人は 拾はざり 笑ふ者は泣く ことわざあれど と 詠み「一円を笑う者は一円に泣く」 との諺を思ひ出だししが 一円玉を拾はず、歌を拾ひ 悦に入りスーパーへ買い物のため入りけり。