新編・伊勢物語 第千百七十一段 梁塵秘抄の一節を 星原二郎第千百七十一段 梁塵秘抄の一節を 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十一年四月の或る日 室町時代の歌謡集の「梁塵秘抄」の 一節が思ひ出だされて 歌を 浮かび来る 「遊びをせむとや 生まれけむ 戯れせむとや 生まれけむ」われか と詠み その歌謡の後半の 「遊ぶ子供の 声聞けば わが身さへこそ 揺るがるれ」を口遊みつつ 中世の室町時代と変はらぬ 心情と思ひけり。