第千百二十七段 東栄町の息子夫婦の新居への頌(上編)
昔、男ありけり。今も男あり。
その男 平成三十一年の三月十五日発行の
立春短歌会の季刊誌の第266号に連作
『東栄町の息子夫婦の新居への頌』と題し
十五首を発表し評価を世に問ひけり。
作品は
地鎮祭 太祝詞の声 山々に
響き渡りて すがしき朝
直会の 神酒を飲み干し 地鎮祭
滞りなく 終へて安けし
奥三河 花祭りの里の 東栄の
東山前に 佳き土地得たり
天の原 振り放け見れば 秋闌けて
淑気満ち満ち 瑞雲湧くも(上棟式)
四首目の作は阿部仲麻呂の作の
「天の原 振り放け見れば 春日なる
三笠の山に 出でし月かも」
の本歌取りなり。