第千百二十五段 懐かしき石見の大田
昔、男ありけり。今も男あり。
その男 平成三十一年の三月三日
刈谷市東市民センターにて開催の
千草会の月例歌会に
次の歌も事前に提出し臨みけり。
昔わが 恋せしひとの 住みゐしよ
石見の大田 なつかしみ来ぬ
歌の心はその男の若き日の
儚き恋の物語の舞台に行きたる折の作品なり。
而して、五十年近き年月流れゐれば
風景も人も変はりゐたり
思ひ出だけが変はらず鮮やかななる事に
無常の感を強くいだきけり。
歌会での評価は参加者八名中、半数の四名の
支持をいただきけり。