新編・伊勢物語 第千百二十一段 此の世寂しと思ふ歌 星原二郎第千百二十一段 此の世寂しと思ふ歌 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 平成三十一年の二月 矢作川中流域にある笹戸温泉の 「とうふや」へと行き 湯につかり矢作川の 流れを眺めつつ 歌を 相思ふ ひとと離れて 住むうつつ 此の世寂しと 思ふこの春 と詠み 仏教の「愛別離苦」の理を 湯の中だけに想ひ浮かべけり。