新編・伊勢物語 第千百二段 忍ぶ恋の歌 星原二郎第千百二段 忍ぶ恋の歌 昔、男ありけり。今も男あり。 その男平成三十一年一月下旬になりやうやうに その年に届きたる年賀状を整理しつつ 歌に詠みて曰く 年一度の 逢瀬に似たる 君よりの 年賀状読みぬ 生きざらめやも と詠み 会いたさは募れども 会ひがたき状況なれば 古歌より続く恋歌の伝統である「忍ぶ恋」こそ その男に相応しきとぞ覚ゆ。