新編・伊勢物語 第千九十九段 金縷梅の花 星原二郎第千九十九段 金縷梅の花 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年二月のはじめ 遠州は浜名湖畔の金縷(まん)梅(さく)の花を 観に行き歌を 鵺代(ぬえしろ)の 乎那(をな)の峯(を)の上(へ)の 金縷梅は 未だ咲かねど 春近みかも と詠み 万葉集の巻第十四の三四四八の 「花散らふ この向つ峯の 乎那(をな)の峯の 洲(ひじ)につくまで 君が齢(よ)もがも」 の歌碑を拝み また改めて観にゆかむと願ひけり。