新編・伊勢物語 第千九十六段 年賀状を書きつつ 星原二郎第千九十六段 年賀状を書きつつ 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十一年一月三十一日の 朝日新聞の地方版の「東海歌壇」に 次の作品を投稿し 当日を楽しみに待ちけり。 作品は この年に 会ひたる人と 会はぬ人 振り返りつつ 賀状書き継ぐ 而して当日、朝日新聞を開き見れば 作品は見当たらず悔しき思ひをいだきけり。 作品の創作は昨年の暮なれば 投稿の時期も誤りたるとぞ覚ゆ。