新編・伊勢物語 第千九十三段 それぞれの人生航路の羅針盤 星原二郎第千九十三段 それぞれの人生航路の羅針盤 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十一年一月 その男の懸想人と自分の人生を比べ 歌に詠みて曰く 君が持つ 人生航路の 羅針盤 正確無比に 大海を航(ゆ)く われが持つ 人生航路の 羅針盤 おんぼろにして 荒海を航(ゆ)く と詠み それぞれの人生航路の違ひ 大きさの賢愚は月と鼈とぞ覚ゆ。