新編・伊勢物語 第千八十四段 城崎温泉の外湯 星原二郎第千八十四段 城崎温泉の外湯 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十年の寒中の或る日 惚れたる女ありければ伴ひて 丹波の国は城崎温泉へと行きけり。 行きて冬の日本海の味覚の松葉蟹に舌鼓を打ち 名物の共同湯へ行かむ折 雪降りゐれば歌を 雪降れば 外湯へ行くと 宿の傘 傾け渡る 城崎の橋 と詠み 風流なることこの上なしとぞ覚ゆ。