新編・伊勢物語 第千七十一段 振袖姿の乙女に 星原二郎第千七十一段 振袖姿の乙女に 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十一年正月 珍しく振袖姿の乙女とすれ違ひ 歌を あらたまの 年こそよけれ 乙女らの 化粧(けはひ)あそそに 匂ひ来るなり と詠み 遠く過ぎ去りその男の 若き日を懐かしみけり。 ※なほ、「あそそ」とは「ほのかに」とか 「少し」の大和言葉の古語なり。