新編・伊勢物語 第千七十段 瓢湖にて冬の渡り鳥に問ふ 星原二郎第千七十段 瓢湖にて冬の渡り鳥に問ふ 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十一年一月 冬の渡り鳥あまた憩ふ越後の国は瓢湖へと行きけり。 行きて歌を シベリアの 今の様子を 聞かせよと 抑留者ならねど 渡り鳥に問ふ と詠み シベリア抑留にて飢えと寒さのため 亡くなりし数多の同胞の霊に思ひを寄せ 鎮魂慰霊を願ひけり。