新編・伊勢物語 第千六十七段 仙丈ケ岳の頂の上の空 星原二郎第千六十七段 仙丈ケ岳の頂の上の空 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、平成三十一年の正月の松の内 信州は伊那谷にある日帰り温泉施設へと 初温泉を楽しむべく中央高速道を 走行しつつ歌を 仙丈ケ岳 頂(いただき)の上(へ)に 雲ありて ほかに隈なき 正月の空 と詠み この年の幸先の良きを 何よりの吉兆と諾(うべな)ひけり。